2017-12-27 健康一般,睡眠

睡眠は、ほかのどんな方法よりも
プラス効果がきわめて高い「究極の健康法」だ。

 

私たちの睡眠はいかに深刻な危機に陥っているか、
その危機を脱するには睡眠とどう向き合えばいいか。

 

睡眠がなぜ重要なのか?
睡眠が不足するとどうなるか?

などについていて、以下、お伝えします。

 

 

睡眠はとても豊かな時間

私たちはとにかく眠りが足りない。
そしてこれは、多くの人が思っているより
ずっと大きな問題だ。

 

私たちの時間は、昼も夜も、かつてないほど脅かされている。
やるべきことが増え続け、
それに伴って、起きている時間の価値が跳ね上がった。792× 616718

 

「時は金なり」が産業社会の合言葉となって
削られたのが睡眠時間だ。

 

産業革命の夜明け以来、私たちは
睡眠をなるべく短時間で済ませようとしている。

 

睡眠は空白の時間などではない。
とても豊かな時間だ。

 

記憶の定着や、認知機能のメンテナンス、
脳と神経系の掃除と回復が行われる。

 

睡眠時間は、
起きている時間に劣らない価値がある。

 

充分な睡眠は起きている時間の質をずっと高められる。

 

しかし現代社会には、いまだに
『睡眠は時間の無駄遣いにすぎない、
増え続けるToDoリストをこなして楽しく暮らすには
ひたすら睡眠を削ればいい、』

という妄想が往々にしてはびこっている。

 

睡眠を削ることによる代償は大きい

睡眠は史上かつてない危機に陥っている。

 

いびきの音が「zzz」とアルファベット最後の文字で
表されるのも、私たちが眠りを軽んじていることの
象徴かと思うほどだ。

 

「『成功』は燃え尽きとストレスという代償を払って
初めて手に入る」というとんでもない見当違いと

24時間休みないネット社会。

これらのために

睡眠はかつてない危機に陥っている。ストレスブルー

 

睡眠不足は引き起こした悲劇の一例を挙げよう。

 

非営利組織のマネジング・ディレクター、
ラジブ・ジョシは31歳の時、
イタリアのベッラージョで開かれた
会議中に発作を起こして倒れた。

 

過労と睡眠不足が原因だった。

歩くこともできない状態で、
当地の病院に8日間入院し、
その後も数週間にわたる理学療法を受けた。

 

病院スタッフと話す中で彼は、
人には「発作リミット」があることを学んだ。

 

休息時間をきちんと取らずにいると、
だんだんそのリミットに近づいてゆく。

 

ラジブはリミットを超えてしまい、
崖から転落したのだった。

 

居眠りは勤勉の証か?

睡眠は一晩に少なくとも7時間取るべきだとされるが、

ギャロップ社が行った最近の世論調査によれば、
米国成人の4割はこれを大きく下回る。

 

ほとんどの人は、睡眠の必要性を

過小評価しているのを示している。

睡眠は、最も軽んじる健康習慣になってしまっている。

 

全米睡眠財団の報告もこれを裏付けており、
3人に1人は平日に充分な睡眠が取れていないという。

 

さらに、

2011年の英国の調査では、
回答者の32%が、直近6カ月間の一晩の平均睡眠時間は7時間未満だと答えていた。

それが2014年には60%にも達した。

 

2013年の調査では、
ドイツで3人に1人、
日本で3人に2人が
平日に充分眠れていないと回答している。

 

日本では「居眠りは勤勉の証し」とみなされてきたが、
これも、睡眠危機の症状の一つにほかならない。

 

リストバンド型の活動量計を製造しているジョウボーンは、

同社の製品「UP」シリーズを装着している何千もの人々から
睡眠データを収集している。

 

その結果、睡眠が少ない都市のランキングがわかるようになった。

 

一晩あたりの睡眠が最も短いのは東京で、レッドゾーンの5時間45分。
ソウルは6時間3分、
ドバイは6時間13分、
シンガポール6時間27分、
香港6時間29分、
ラスベガス6時間32分。

 

ラスベガスより短いのなら、あなたの睡眠は問題ありだ。

 

ネットへの常時接続は、成功に不可欠な条件?

こんなことになっている理由はもちろん仕事にある。

 

そして成功をどう定義し、何が人生で重要と考えるか?

によっている。

 

仕事が常に最優先だという盲信は、
高い代償のもとに成り立ってきた。
しかもテクノロジーの進歩がそれを悪化させている。世界とつながる

 

今や、電話をポケットやかばんに入れるだけで、
誰でもどこへでも仕事を持ち運べてしまう。

 

自宅にも、寝室にも、ベッドの中にさえも、
つきまとってくる電子音と振動と光る画面。

それは際限ない「接続」だ。

ただボタンを押せばつながる。

 

社会的動物である私たち人間は、
人とつながるようにつくられている。

 

デジタル環境に接続していないときでも
他者とのつながりを期待している。

 

そして、常にこの状態にあると、
就寝時刻を迎えても心が休まってくれない。

 

今やネットへの常時接続は、成功に不可欠な条件だと
されるようになった。

 

ペンシルベニア大学の労働学教授アラン・デリクソンは

その著書『危険な眠気』で次のように指摘している。

 

「世界的競争の世の中で、
睡眠不足は生き残りに不可欠な習慣の一つになってしまった。

 

トーマス・エジソン(注*睡眠が短かったことで知られる)くらいでは済まない。

24時間365日動き続ける現代社会で成功するには、
必要な休息を自分にも部下にも認めないことが必要とされている。

 

米国には、ありとあらゆる休眠に疑惑の目を向けるというイデオロギーが

かつてない強さで浸透している」

 

睡眠不足の代償は非常に大きい。

 

一晩の睡眠時間が5時間以下になると、死亡率は15%上昇する。

 

十分な睡眠を取るかどうかは、実際に生死にかかわることなのだ

 

さまざまな研究が睡眠障害による弊害を裏書している

1週間の睡眠時間を1時間減らすだけでも
心臓発作のリスクが高まる可能性があるという。

 

ロシアの研究では、心臓発作を起こした男性の
63%弱に睡眠障害もあった。

 

そして睡眠障害があった男性は
心臓発作のリスクが2~2.6倍高く、
脳卒中のリスクも1.5~4倍高かった。

 

ノルウェーの研究によれば

寝つきに問題を抱える人は交通死亡事故の34%に関与しており、

 

不眠の症状がある人は
事故のけがで死亡する確率が3倍近くも高かったという。

 

また、睡眠覚醒サイクルの制御ホルモンであるメラトニンの不足は、
乳がん・卵巣がん・前立腺がんのリスク上昇との関連性が指摘されている。

 

睡眠不足は免疫系を弱らせるので、風邪などの病にもかかりやすくなる。

 

睡眠を削ることは太るための理想的な方法

睡眠不足は体重コントロールにも大きな影響を及ぼす。

 

あるクリニックが1週間かけて行った実験では、
睡眠を制限された被験者はそうでない被験者に比べて
1日当たりの摂取カロリーが559キロカロリー多く、体重増加も大きかった。

 

また、一晩当たりの睡眠時間が6時間の人は体重超過のリスクが23%高い。
そして4時間以下になると、リスク上昇は73%にも達する。

 

理由の一つはグレリンというホルモンにある。

このホルモンは食欲を増進させるが、
睡眠が多い人のほうが分泌量が少ないからだ。

 

同じ研究において、睡眠不足のグループは、
食欲を低下させる「満腹ホルモン」、
レプチンの量が少なかったとも報告された。

 

睡眠を削ることは太るための理想的な方法といえるほどだ。

 

十分に休んでいなければ、健康ではいられない。
そしてそれは外見にも表れる。

 

英国では、女性30人を対象に睡眠不足の影響を調べる実験が行われた。

 

8時間眠った後に皮膚の撮影と分析を行い、
次に5日間連続で6時間睡眠にして、結果を比較するというものだ。

 

すると、しわは45%、しみは13%、赤みは8%増加していた。

 

睡眠は心の健康にも影響する

睡眠は脳機能の維持にも重要な役割を果たすことが明らかになってきている。

 

脳は私たちが眠っている間にさまざまな毒素を処理する。

 

アルツハイマー病との関連性が指摘されているたんぱく質もその一つだ。

 

この仕事をこなす時間を脳に与えてやらないと、その代償は非常に高くつく可能性がある。

 

睡眠は体の健康と同じくらい心の健康にも影響する。

 

ほぼすべての心の病気について、
睡眠不足との強い関連性があるほどで、その代表格がうつと不安だ。

 

2012年に行われた英国睡眠調査では、
睡眠不足の人はそうでない人に比べて
無力感を7倍、孤独感を5倍感じやすいと報告された。

 

睡眠不足は私たちの知的能力も奪う。

 

睡眠不足による副作用と能力低下

6時間睡眠を2週間続けるだけで、
私たちの能力は24時間眠っていないのと同じくらい低下する。

 

4時間睡眠による能力低下は48時間の不眠に匹敵する。

 

情報番組「トゥデイ」の調査によれば、

 

睡眠不足の副作用として、

集中力が低下する(29%)、
趣味やレジャーへの関心がなくなる(19%)、

日中の不適切な時間に眠ってしまう(16%)、

 

怒りっぽくなったり、子どもやパートナーに対して振る舞いが不適切になる(16%)、
職場での振る舞いが不適切になる(13%)、

といった回答が寄せられた。

 

 

参考:日経Gooday

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